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2018/10/24

【アルセーヌ・ルパン:八点鐘】水びん


出典:株式会社 偕成社


あらすじ

レニーヌ侯爵を名乗るルパンとオルタンスは、ジャック・オーブリユという囚人が死刑になることで、狂わんばかりに取り乱している青年に出会う。
青年の名はガストン・デュトルイユ。
デュトルイユによると、ジャックは無実なのに不当に死刑になるのだという。

レニーヌとオルタンスはデュトルイユとともにジャックの奥さんの住む家に向かう。
デュトルイユ夫人もニュースに取り乱し、夫は無実であると信じていた。
事情を聞くと、事件のあらましは次のようなものであった。

事件が起こったのは3月。
被害者はギヨーム氏といい、殺害されるとともに、千フラン60枚を盗まれた。
死刑になるジャックは、事件当日の午後1時に被害者のギヨーム氏のところにオートバイで出かける予定だったが、
結局取りやめにし、一日中家にいたという。
にもかかわらず、事件現場にジャックのオートバイのものと一致するタイヤの跡が見つかったこと、さらにジャックのハンカチが見つかり、殺人に使われたのもジャックのピストルだったため、彼は逮捕されてしまった。

夫人は、夫の無実を精いっぱい証明するため、アリバイの証言を行ったが、現場からさらにジャックの指紋がついたワインの瓶が発見されたため、有罪が決定的となってしまった…。

レニーヌは、死刑執行の翌日までにジャックの無実を証明すると、夫人に誓うのであった…。

感想
八点鐘の連作第二話。
ルブランが得意とする心理トリックがものを言わせる話です。

なお、この話で登場するのは国家警察のデュドイ部長。
変装したレニーヌのことを、さまざまな事件の協力者とみなしていて、関係性が良好なのも意外。
「警察VSルパン」という構図は、原作ではそれほど重視されていないのですね。
むしろ続813で殺人を犯してしまい、身を投げて以降は、よいことをしている印象のほうが強くなっています。
八点鐘でも、困っている人のところに首をつっこんで、ただ冒険を楽しむように人助けを行う「いいルパン」の姿がえがかれています。