ペットボトル毒物混入殺人事件(2)
○ワークショップ会場の外
警官と探偵が自販機の前で話をしている。
警官「例のヴィヴィアンなんですが、周辺のショップのほかの商品は全て無事でした。念のため、全国の小売店に、毒物混入の恐れがあることは周知しましたが、、、。とりあえず1本、買ってきました(新しいヴィヴィアンを渡す)無差別毒物混入なのか、川又さんが犯人か」
そこに、南が出てくる。
警官「ちょっと、君!一応容疑者なんだから、部屋で待機しなさい」
南「すみません、のどがかわいちゃって。ジュース一本買うだけです」
警官「わかった」
南「それにしても、、、怖いですね。私も危ないところでした」
探偵「なにが?」
南「工藤さんは、、、お気の毒でした。実は私(僕)、工藤さんの水を飲んだんです、、、ちょっとだけ、、、もっとたくさん飲んでいたらもしかしたら私(僕)も死んでいたかもと思うと」
警官、探偵「!!!」
警官「君、それは確か?」
南「(二人の食いつきにとまどいながら)え、ええ。ただ微量だったので死に至らなかった、、、のかなと。飲み物持っていなかったので、たまたまそばにいた工藤さんに、ちょっとだけもらったんです」
警官「水分補給をしてすぐ、授業は再開したんですよね」
南「そうです、川又さんが『はじめます』っておっしゃって、急いでいたのもあって、ちょっとしか飲まずに済みました」
探偵「警部,毒入りのペットボトルについていた指紋は、川又さんと工藤さんのだけですよね・・・?」
警官、うなづく。
○ワークショップ会場
探偵「みなさん、よく聞いてください。誠に残念ですが、、、工藤さんを殺害した犯人は、、、この中にいます」
一同「えっ」
浅香「じゃあやっぱり、、、」(川又を見る)
川又「違う!私(僕)じゃない!」
探偵「そうです、川又さんは犯人ではありません。なぜなら、今日川又さんが買って来たヴィヴィアンを、南さんが飲んでいるのです。買って来た時点から毒物が混入されていたなら、致死量の少ない硫酸のこと、南さんも無事なはずはありません。ペットボトルはそのあと毒入りのものと入れ替わったのです。そしてそんなことができたのは、みんなが練習している間、ずっと後ろで見ていた、浅香さん、あなたです!」
浅香「(ぎくりとするが、冷静を装って)は、ははは、何を言っているんですか。ペットボトルからは川又さんの指紋も出て来て、川又さんから渡されたものに間違いないと、警部さんも言ってたじゃありませんか。入れ替わっていないんでしょう?」
探偵「(別のヴィヴィアンのペットボトルをとりだし)このペットボトルはゴミ箱にありました。」
浅香「工藤さんは毎日ヴィヴィアンを飲んでいたんだから、当たり前でしょう。ヴィヴィアンが何本かゴミ箱に捨ててあってもおかしくないですよ」
探偵「でも、ゴミ箱にあったこのペットボトルには南さんの指紋がついているんですよ。なぜ、今日来たばかりの南さんの指紋が、昨日より前に捨てられたはずの、このペットボトルについているんですか? 、、、そう、このペットボトルは、犯人が今日ゴミ箱に捨てたものです」
浅香「(ぎくりとして)そう、、、(ごまかして)かもしれませんね。そうだとしても、私以外の誰かですよ。南さんの指紋がついてるなら、南さんが犯人じゃないですか?」
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