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2018/10/05

ペットボトル毒物混入殺人事件(1)

商用・非商用含めて今まで30本くらい脚本を書いています。
この作品の映像版はこちら。役者の卵のみなさんによる作品です。↓



(登場人物)
探偵
警察
先生 川又
レッスン生 安田
レッスン生 南 元医者の、新入生
演出家 浅香
殺された人 工藤

○1 役者のワークショップ会場
みんなの飲み物を買って来た川又。

川又「はい、買って来たよ~」

安田,南,浅香,工藤「ありがとう」

川又「安田さんはお茶ね、南さんは、、いらないのか、浅香さんもお茶、はい、工藤さんのヴィヴィアン」

みんな、飲み物を飲む。

工藤が、南と飲み物を交換して飲む。(さりげなく映りこんでいる感じ)

川又「じゃあ、始めますよ」

生徒全員「はい」

そして、みんな飲み物を机に置く。

川又「では、発声をやりましょう」

その様子を見ている浅香。

○2
時間経過。

川又「では、そろそろ休憩にしましょう」

みんなが、飲み物を飲む。

そのとき、急に苦しそうに倒れる、工藤

川又 「ど、どうしたんですか」

工藤、返事もせずに息絶える。

安田「だ、だれか、救急車!」

浅香、救急車に電話をかける。

浅香「あ、もしもし、すいません、今練習会場で、あの、あの、クラスメイトが倒れて。。。」

南「浅香さん、だめです、もう。救急車じゃなくて、、、警察呼んでください。」

浅香「え?」

南「もう、亡くなってます」

○3
探偵「探偵の、岩切です」

探偵が自己紹介している横で、警察が現場検証をしている。

警察「これは、もしかするとつまようじ混入の模倣犯かもしれません。ほら、ペットボトルに小さい穴があいている。しかも混入されていたのはつまようじではなく、硫酸。きわめて悪質です。」

川又「そんな!私が買って来た水で、、、。工藤さん、、。」

探偵「でも、、、内部犯ということもありえませんか。たとえば、買って来た人が故意に毒入りのものを渡した、、、」

川又「とんでもないですよ!どうして、私が工藤さんを殺さなきゃいけないんですか。」

警察「川又さんは、全員分の飲み物を買って来た訳ですね。工藤さんがミネラルウォーターのヴィヴィアンを選ぶことは初めからわかっていたんですか」

川又「はい、みんなの注文をとってから買いに行きますから。」

南「それに工藤さんはいつもヴィヴィアンを飲んでいました」

探偵「では、もし工藤さんに毒入りの水を渡せるとしたら、川又さんなのですね。もしくは、誰かが途中で入れ替えたか、、、」

警察「それはないでしょうね。」

探偵「というと?」

警察「ペットボトルから川又さんの指紋も出てきましたから。川又さんから工藤さんに渡されたものに間違いありません」

探偵「買い出しは、いつも川又さんが?」

川又「はい、休憩中に私が買ってくるんです。でも、工藤さんがそれで死んでしまうなんて、、、そんな!」

と、警官の携帯がなる。

警官「もしもし、はい。そうですか、すぐ行きます、、(電話を切って)すみません、応援の部隊が到着したようですので、顔を出してきます」

探偵「はい」

警官出て行く。

探偵「ではとりあえずみなさん、お名前と、今日ここにいる理由をおきかせいただけますか」

川又「川又です。ここで、安田さん、南さん、工藤さんの演技指導を浅香さんに頼まれまして、教えに来ました。私が買って来たのが毒入りペットボトルだったなんて、、、(泣き崩れる)」

安田「安田です。1年前から役者を目指していくつかオーディションを受けていて、、ここのオーディションに受かって、3ヶ月前からここでワークショップを受けています」

南「南です。私は、オーディションに受かったばかりで、今日が初めての参加です、先月まで医者をしていましたので、工藤さんが倒れた後、手遅れであることに気づいて、、、」

浅香「演出家の浅香です。やりたいお芝居があって、、、オーディションで安田さん,南さん,工藤さんを選びました。今日は練習の見学で」

探偵「みなさんは、ここで毎日練習しているんですか」

川又「はい、休日以外はほぼ」

探偵「工藤さんは、いつからここに」

浅香「安田さんと同じで、3ヶ月前からです」

探偵「わかりました。では、念のため、みなさんの持ち物を調べさせていただきます。硫酸が出て来ないとも限りませんから」

全員、かばんを持ってきて、中身を机に並べる。

川又「今日の講義用の台本、筆記用具、財布、携帯、あといつも持ち歩いているキャンディーです」

安田「(持ち物説明)」

南「(持ち物説明)」

浅香「(持ち物説明)」

探偵「いいでしょう」

そこに、警官が戻ってくる。

警官「岩切さん、ちょっといいですか」

探偵「はい」

二人でていく。

南「それにしても、無差別に毒物混入なんて、、、ほんと怖いね、、、(考え込んでいる様子)」
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