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2018/03/07

ルパン対ホームズ 第二話 ユダヤのランプ

概要(あらすじ)
ホームズのもとに、フランスから依頼が届いた。差出人は、ある重大な盗難の被害者だという。ところが、同時に届いたもう一通の書留は、「事件から手を引け」という警告の手紙だった。差出人は・・・アルセーヌルパン

ホームズは忠告を受け流し、フランスへと向う。

被害者の男爵の説明によると、事件の概要はこうだった。

盗難が起こった夜、男爵は全ての扉に内側から鍵をかけた。窓も閉めておいた。しかし、朝になると窓のひとつが何者かによってこじ開けられていた。犯人は外から窓を開けたにちがいない。庭の花壇に、はしごをたてかけが跡がついていた。

盗まれたのはユダヤのランプ。
ランプ自体は高価なものではないが、隠し場所がついていて、その中に高価な宝石が隠してあったのだという。

その宝石の隠し場所は誰も知らなかったはずなのに・・・。

ホームズは捜査を開始した。ところがそのとき、またもやホームズが電報を受け取る。
その電報にはこうかかれていた。

「あなたが短時間で行った捜査の成果は驚くべきものです。ただただ唖然とするばかりです、アルセーヌルパン

どうやら、屋敷でのホームズの行動は、ルパンに筒抜けなのだ!

読後の感想など
ルパン対ホームズは、この話の方が短く読みやすいです。また、ホームズとの戦いの最後にルパンの生き方・主張なども盛り込まれているので私にとっては読み応えがありました。
第1話「金髪の美女」を読んでいなくても、特に支障はありません。

ルパンに出てくるホームズを読んでいると、これがヒットするってことは、フランスとイギリスって本当に仲が悪いんだなあと^^;思います。(今はどうかわかりませんが、当時はもっとだったのかも)

ホームズは強いライバルという設定ですが結局こてんぱんにされますし。

なによりルパンの性格はドイルの描いたホームズとあまりにも対照的なのです。

堅物で事件にしか興味のないホームズ。
恋愛に積極的で、怪盗意外にもいろいろな職業に扮して楽しむルパン。

興味をひく事件がないときはダメ人間のホームズ。
ダメ人間(一応犯罪者ですからね・・・)でも特に自覚のない根アカなルパン。

基本的に一人で行動するホームズ。
たくさんの手下を使い、その分裏切りにもあうルパン。

各国の理想のヒーロー象が、文化によって全然違うのだなと感じました。

日本も「がんばれ、がんばれ」の時代は過ぎました。
力を抜いて人生を満喫するルパン。
一応犯罪者です。実在したら・・・もう社会からとっくに脱線してる「負け組」なわけですがw
なにがあってもけろっとして、自信満々な、ルパンに元気をもらいます。


入手できる書籍
偕成社全集版 第2巻「ルパン対ホームズ
新潮文庫 ルパン傑作集(V)「ルパン対ホームズ
創元推理文庫「リュパン対ホームズ」
ポプラ社版第3巻「ルパン対ホームズ
講談社青い鳥文庫「ルパン対ホームズ
岩波少年文庫「ルパン対ホームズ
偕成社文庫「ルパン対ホームズ」
ハヤカワ・ミステリ文庫「ルパン対ホームズ」
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