商用・非商用含めて今まで30本くらい脚本を書いています。
この作品の映像版はこちら。役者の卵のみなさんによる作品です。↓
(登場人物)
探偵
警察
先生 川又
レッスン生 安田
レッスン生 南 元医者の、新入生
演出家 浅香
殺された人 工藤
○1 役者のワークショップ会場
みんなの飲み物を買って来た川又。
川又「はい、買って来たよ~」
安田,南,浅香,工藤「ありがとう」
川又「安田さんはお茶ね、南さんは、、いらないのか、浅香さんもお茶、はい、工藤さんのヴィヴィアン」
みんな、飲み物を飲む。
工藤が、南と飲み物を交換して飲む。(さりげなく映りこんでいる感じ)
川又「じゃあ、始めますよ」
生徒全員「はい」
そして、みんな飲み物を机に置く。
川又「では、発声をやりましょう」
その様子を見ている浅香。
○2
時間経過。
川又「では、そろそろ休憩にしましょう」
みんなが、飲み物を飲む。
そのとき、急に苦しそうに倒れる、工藤
川又 「ど、どうしたんですか」
工藤、返事もせずに息絶える。
安田「だ、だれか、救急車!」
浅香、救急車に電話をかける。
浅香「あ、もしもし、すいません、今練習会場で、あの、あの、クラスメイトが倒れて。。。」
南「浅香さん、だめです、もう。救急車じゃなくて、、、警察呼んでください。」
浅香「え?」
南「もう、亡くなってます」
○3
探偵「探偵の、岩切です」
探偵が自己紹介している横で、警察が現場検証をしている。
警察「これは、もしかするとつまようじ混入の模倣犯かもしれません。ほら、ペットボトルに小さい穴があいている。しかも混入されていたのはつまようじではなく、硫酸。きわめて悪質です。」
川又「そんな!私が買って来た水で、、、。工藤さん、、。」
探偵「でも、、、内部犯ということもありえませんか。たとえば、買って来た人が故意に毒入りのものを渡した、、、」
川又「とんでもないですよ!どうして、私が工藤さんを殺さなきゃいけないんですか。」
警察「川又さんは、全員分の飲み物を買って来た訳ですね。工藤さんがミネラルウォーターのヴィヴィアンを選ぶことは初めからわかっていたんですか」
川又「はい、みんなの注文をとってから買いに行きますから。」
南「それに工藤さんはいつもヴィヴィアンを飲んでいました」
探偵「では、もし工藤さんに毒入りの水を渡せるとしたら、川又さんなのですね。もしくは、誰かが途中で入れ替えたか、、、」
警察「それはないでしょうね。」
探偵「というと?」
警察「ペットボトルから川又さんの指紋も出てきましたから。川又さんから工藤さんに渡されたものに間違いありません」
探偵「買い出しは、いつも川又さんが?」
川又「はい、休憩中に私が買ってくるんです。でも、工藤さんがそれで死んでしまうなんて、、、そんな!」
と、警官の携帯がなる。
警官「もしもし、はい。そうですか、すぐ行きます、、(電話を切って)すみません、応援の部隊が到着したようですので、顔を出してきます」
探偵「はい」
警官出て行く。
探偵「ではとりあえずみなさん、お名前と、今日ここにいる理由をおきかせいただけますか」
川又「川又です。ここで、安田さん、南さん、工藤さんの演技指導を浅香さんに頼まれまして、教えに来ました。私が買って来たのが毒入りペットボトルだったなんて、、、(泣き崩れる)」
安田「安田です。1年前から役者を目指していくつかオーディションを受けていて、、ここのオーディションに受かって、3ヶ月前からここでワークショップを受けています」
南「南です。私は、オーディションに受かったばかりで、今日が初めての参加です、先月まで医者をしていましたので、工藤さんが倒れた後、手遅れであることに気づいて、、、」
浅香「演出家の浅香です。やりたいお芝居があって、、、オーディションで安田さん,南さん,工藤さんを選びました。今日は練習の見学で」
探偵「みなさんは、ここで毎日練習しているんですか」
川又「はい、休日以外はほぼ」
探偵「工藤さんは、いつからここに」
浅香「安田さんと同じで、3ヶ月前からです」
探偵「わかりました。では、念のため、みなさんの持ち物を調べさせていただきます。硫酸が出て来ないとも限りませんから」
全員、かばんを持ってきて、中身を机に並べる。
川又「今日の講義用の台本、筆記用具、財布、携帯、あといつも持ち歩いているキャンディーです」
安田「(持ち物説明)」
南「(持ち物説明)」
浅香「(持ち物説明)」
探偵「いいでしょう」
そこに、警官が戻ってくる。
警官「岩切さん、ちょっといいですか」
探偵「はい」
二人でていく。
南「それにしても、無差別に毒物混入なんて、、、ほんと怖いね、、、(考え込んでいる様子)」