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2018/09/20

水晶の栓(アルセーヌ・ルパン)

概要(あらすじ)
ルパンは、部下のボーシュレーとジルベールからの情報をもとに、ドーブレックの館に押し入ったルパンは、部下のボーシュレーが下男のレオナールを殺害してしまったことを知る。
警察がやってきて逃げ遅れた3人。
ルパンは部下を残して自分がまず逃げ、あとから2人を獄中から救い出すという決心をする。

こうして部下を救い出すために動き出したルパンは、2人がドーブレックの館に押し入ったのは実は金品目当てではなく、
なんの変哲もない水晶の栓のためだったことに気づく。
なぜ2人は、こんな水晶の栓にこだわったのか・・・?

調査に乗り出すルパンだが、なんとルパンが持っていた水晶の栓は、何者かによってまんまと盗まれてしまった! 

読後の感想など(ネタバレ)
ヒロインの名がクラリス。ドーブレックという悪者に、息子の命と引き換えに体の関係を迫られているという設定。
ルパン三世のクラリスのモデルでもあると考えられます。

有名な義眼のトリックが出てくるのは、この「水晶の栓」です。

さて、この話でルパンは殺人を犯します。

相手は自分の元部下。
彼は、道を誤って断頭台で処刑されることになった。
死刑が確定していた相手ではあるのですが、その元部下を、処刑直前に撃ち殺します。

ルパンが罪に問われない理由がよくわからないのですが、物語上スルーされています。
法的には、処刑執行ができなくなっているので、最低限業務執行妨害でしょうし、「どうせ死ぬ相手だから殺してもよい」とはならないと思うのですが、物語上それ以上語られていない以上、読者各自想像するしかないですね。

ともかく、処刑の直前にルパンに撃たれた元部下は、死ぬ直前に、こうつぶやきます。
「ありがとう親分、これで断頭台で首をちょん切られずに済む、ありがとう、親分!さすがに、大した男だぜ!」

このセリフには迫力がありますね。
犯罪者の世界ってそうなのかな、つかまって処刑されるくらいなら、親分に殺された方がましなのかな。
ちょっと違うけど、日本の武士の切腹を思わせるシーンでした。



入手できる書籍
翻訳が意外と少ない。そのうち入手困難になってしまうかも。
私も絶版の危機を感じて、動画制作をやろうと思って…なかなか進んでおりません。

ハヤカワミステリ文庫の翻訳が進まない気持ち、わかるなあ…。
出版社だって、文庫は言ってみれば出版社の自費出版ですからね。ルパンは今更お金になるわけでもないし、
ついつい後回しになってしまうのでしょう。

ただ出版社の場合、マンパワーに問題はないので、何かルパン関係の映画やアニメに話題があれば、一気に進むのかもしれませんね。

でも…私もがんばりますので、ハヤカワミステリ文庫にもぜひがんばってもらいたいところです。読みやすかったので。
※が全訳。

※偕成社全集版 第7巻「水晶の栓
※新潮文庫 ルパン傑作集(VI)「水晶栓」
※創元推理文庫「水晶の栓
※ハヤカワミステリ文庫「水晶の栓」
ポプラ社版 第7巻「古塔の地下牢」
ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集」「古塔の地下牢」
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